注文住宅を建てようと思った時、最初に迷うのが「どこに頼むか」ではないでしょうか。
岡山県は、全国展開している大手ハウスメーカーはもちろん、地域に根ざした優良工務店、そして県内全域でシェアを伸ばす中堅ビルダー(パワービルダー)など、選択肢が非常に多いエリアです。
「ブランド力で選ぶか、コスパと自由度で選ぶか」。
失敗を防ぐためには、それぞれの特徴を理解し、自分たちの価値観に合ったパートナーを見つけることが重要です。ここでは、岡山での会社選びの基準を解説します。
大きく分けて、依頼先には2つのタイプがあります。それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
RSKハウジングプラザなどの展示場にモデルハウスを構える有名企業です。
県内を中心に活動する中小規模の建設会社です。
意外と見落としがちなのが、担当者の「異動」です。
全国規模の大手メーカーでは、キャリアアップの一環で担当者が県外へ転勤になる可能性があります。
一方、地元の工務店なら、社長や担当者がずっと岡山に根付いているケースが多いため、「10年後、20年後のメンテナンスも同じ人に相談できる」という安心感があります。これは地域密着店ならではのメリットと言えるでしょう。
「坪単価50万円」と書いてあっても、そこに何が含まれているかは会社によって違います。
ローコストを謳う会社の中には、網戸や照明、カーテンレールがオプション扱いの場合も。総額で比較するために、必ず「住める状態にするにはいくらかかりますか?」と聞いて、条件を揃えて比較しましょう。
日本の住宅には、柱の間隔を決める「910mm(尺モジュール)」と「1000mm(メーターモジュール)」という2つの基準があります。
大手メーカーは独自のモジュールで規格化されていることが多く、間取りの微調整が難しい場合があります。一方、地場の工務店は在来工法(尺モジュール)をベースに「ミリ単位」で調整できる会社も多く、狭小地や変形地でも無駄のない設計が可能です。
「晴れの国」岡山は夏の日差しが強いため、断熱だけでなく「日射遮蔽(ひさしやシェードの設計)」が重要です。
全国一律の規格ではなく、岡山の気候風土を理解したパッシブデザイン(自然エネルギーを利用した設計)を提案してくれる会社かどうかも見極めのポイントです。
家は建てて終わりではありません。台風で瓦がズレたり、給湯器が壊れたりした際、すぐに駆けつけてくれる距離に会社があるかは重要です。
「電話してから来るまで数日かかる」のと「その日のうちに見に来てくれる」のでは、暮らしの安心感が違います。
最後はやはり“人”です。家づくりは半年〜1年以上かかる長いプロジェクト。
契約を急かしてくる営業マンではなく、メリットもデメリットも正直に話してくれる担当者を選びましょう。
「もっと調べておけばよかった」とならないためには、効率よく比較することが大切です。
まずはRSKハウジングプラザなどの総合展示場に行き、最新の設備やトレンドを体感しましょう。ただし、そこにあるのは「最高級仕様(オプション満載)」なので、そのまま鵜呑みにしないよう注意が必要です。
次に、地元の工務店が開催している「完成見学会」に行きましょう。
そこで見る家こそが、現実的な予算で建てられるリアルな家です。「展示場の家」と「見学会の家」を見比べることで、自分たちが本当に求めているサイズ感や仕様が見えてきます。
「ブランド(安心)」を取るか、「実質的な価値(コスパ・自由度)」を取るか。
どちらが正解ということはありませんが、岡山で長く暮らすことを考えると、地域のことを知り尽くしたパートナーを選ぶ価値は非常に大きいです。
知名度だけで決めず、実際に数社(2〜3社)の話を聞いて、信頼できる会社を見つけてください。
引⽤元:アイム・コラボレーション(https://im-c.jp/)
引⽤元:SPECIALABO(https://specialabo.co.jp/)
引⽤元:SANKO(https://www.sankohousing.co.jp/
UA値とは、家の断熱性能を表す数字です。値が低いほど、家の中の熱が外に逃げにくくなります。つまり、冬は暖かく、夏は涼しい家になります。
C値とは、家の隙間の少なさを表す数字です。値が低いほど、家の中に隙間が少なく、外から風が入りにくくなります。つまり、冷暖房が効きやすくて、快適な家になります。
Ua値やC値が0.1違う場合、年間の冷暖房費に約3~5%程度の差が生じると言われています。数値が0.1高い場合、年間の冷暖房費が15万円の家庭では、約4,500円~7,500円の追加費用が発生し、室温については1~2度程度の差が生じると言われています。
また、地域の特性上高い住宅性能が求められる北海道では、UA値0.46が基準(省エネ基準)とされており、この数値より低い場合は、東北地方や北海道などの寒冷地にも適合できるほどの住宅性能を持っているといえるでしょう。
参考:国土交通省HP(https://www.mlit.go.jp/shoene-label/insulation.html)
【選定基準】
「岡山 注文住宅」とGoogle検索し、表示された上位50サイトの中で注文住宅会社は31件でした。(2024年4月調査時点)
31社から、上物価格を「1000万円台の家」「2000万円台の家」「3000万円台の家」で分け、住宅性能(耐震性能3等級以上、Ua値、C値)を明記している中で価格帯別に最も坪単価が安い注文住宅メーカーを選出しました。アイム・コラボレーションの坪単価は「SUUMO」(https://suumo.jp/chumon/tn_okayama/rn_imc/?ichiranIdx=3)、SANKOの坪単価はステップハウス(https://www.stephouse.jp/company/view/172/profile/)の情報を参考にしています。
【参考上物価格】
岡山県の平均一戸建ての広さが約36坪。(参照元:株式会社ヘルシーホーム https://www.healthy-home.co.jp/column/251/ ※情報は2018年10月時点)。これに各社の坪単価をかけて参考上物価格を算出しました。